私の履歴書

私は、静かな場所からここへ来ました。

子どもの頃の私は、
大人たちから「手がかからない子」と言われる存在でした。
大人しくて、感情を表に出すのが少し苦手で。
でもその分、
人の声や空気の変化には、敏感だった気がします。

学生時代、
同じクラスに、アイドルみたいに可愛い女の子がいました。
その子を見ていると、
「こんなふうになれたらいいな」と
胸の奥が、きゅっとする瞬間があったのを覚えています。

大人になったな、と感じたのは、
自分でお金を稼いで、
ひとりで生活できるようになった時でした。
誰かに守られる側から、
自分で自分を支える側になった感覚です。

これまで、
カラオケ店、コールセンター、飲食店で働いてきました。
動き回ったり、人と向き合ったりする時間の中で、
「あ、こういう場所にいる自分は嫌いじゃない」
そう思えるようになりました。

正直、
ネガティブに考えてしまうところは、今でも私の弱さです。
でもその一方で、
「やってみたい」と思ったら動ける行動力も、
ちゃんと自分の中にあると気づきました。

「素直だね」
そう言われると、
少し照れながらも、すごく嬉しくなります。

SMという世界を知ったのは、
ほんの好奇心からでした。
知らないまま、想像だけで終わらせたくなかった。

最初は、
「縛られたら、私はどうなるんだろう」
そんな想像が頭をよぎって、
少しだけ、ドキドキしていました。

実際に体験してみて感じたのは、
緊縛はただの行為じゃなくて、
その人の優しさや性格が、
とても正直に表れるものだということ。
それはどこか、
静かなアートに近い感覚でした。

痛いまではいかない、
でも確かに緊張が走る、
そのギリギリのラインに、
不思議と心が落ち着く瞬間があります。

今、私がいちばん心地いいと感じるのは、
目の前のご主人様が、
ふっと笑顔を見せてくれること。
その表情を見ると、
ここにいてよかった、と思えるんです。

「応援したい」
そう言われた時、
自分の存在が誰かの力になれていることを、
初めて実感しました。

このお仕事を始めてから、
私の世界は、確実に広がりました。
人と話すのが苦手だった私も、
今では「楽しい」と思えるようになっています。

ご主人様には、
最初から最後まで、
ただ笑顔で、この時間を楽しんでほしい。
それが、私のいちばんの願いです。

これからは、
「この人になら何でも話せる」
そう思ってもらえる女性になりたい。

まだ未熟で、完璧ではないけれど。
それでも、
「楽しかった」と心に残る時間を届けられるよう、
私は今日も、少しずつ成長していきます。

未来のご主人様へ。
どうぞ、よろしくお願いいたします。